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幻滅デイリー
カラオケ Red-ver!
 部屋は、とてつもなく赤かった。

「まさか、血にまみれた部屋だったりして」
クスクスと笑う少女。それに、プッと吹き出す友人達。
「やっだー、超ベタじゃーん」
盛り上がりも早く、一人がトイレに立つ。
「あ、わたしトイレー」
「行ってきたら、場所教えてー」
「うん、解ったー」
トイレに送り出す、セーラー服の少女達。
「カラオケなんて、久し振りだよねー」
「ホントホントー」
「でも、初めて来た店って怖くない? だって、このメンバーで二回目は誰もいないんだから」
「痴情の縺れみたいなので、ザクッと有りがちみたいな?」
キャハハと笑い合い、パラパラと曲目録を捲る。
「あー、もう遅いじゃない。どうせ、迷ってたんだろうけどさ。次、アンタの番なんだからね! ほら、マイク持って」
「……ね、この部屋ヤバいかも……」
マイクを握った手を、ガタガタと震わせる。
「何よー、戻って来たばっかで何言うの。ほら、歌いなさいってば」
「だだだ、だって、この部屋だけ赤いし! そこに、見たこと無い人が、ずっとわたしを見ているんだもの!」

 そう言った瞬間、セーラー服の少女達は蜘蛛の子を散らすように部屋から飛び出した。

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あきゅろす。
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