幻滅デイリー ブランド・ガール 「女子大生か……。くぅーッ、羨ましい!」 男は握り拳を作り、それを震わせる。どうやら、かなり手に力を込めている様だ。 「この歳になると、女子大生と会う機会なんて無いからなァ」 「不潔ですね」 セーラー服姿の可憐な少女は、その見た目とは裏腹に軽く言葉のジャブを入れる。 「んだよ、女が好きで悪いか!」 「女子大生と付き合いたい、という直接的過ぎる感情が不潔と言っているんです」 男は塾講師であり、少女は高校生である。 「別に、直接的って訳じゃないさ。段階と順序を踏んだ、付き合いをしたいさ。出来れば、エスカレーター式の一貫女子校の女子大生が良いな。何も知らない娘を、さ」 「何、高校生に語っちゃっているんですか変態」 少女は平然と言葉のナイフを、男に突き立てる。 「良いさ良いさ、別に期待なんかしてないから。俺は一人寂しく孤独のまま死ぬんだ」 「先生、一つ提案があります」 「はーい、どうぞ」 少女は席に着いたまま、挙手をすると男は彼女を指名した。 「わたしには、大学二回生の姉がいますが」 「え」 顔を上げる男。 「わたしでは、いけませんか。今は女子高生ですが、いずれは女子大生になります。いわゆる、約束されたブランドです」 [戻][進] |