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幻滅デイリー
終わらない今日
 そして、わたしは殺された。

「あれ?」
確かに、わたしは殺された。
「どうした、昼間から寝ぼけているのか」
先輩に顔を覗き込まれ、慌てて書類を散らす。
「あ、いえ、すみません……」
「そういえば、君は昨日も残業だったか。疲れているんだ、今日は早く帰る事だな」
「あ、はい……」
早目に仕事を上げて、定時に会社を後にする。とぼとぼ、路地裏を歩く。夕方五時でも、辺りは暗い。気味が悪いが、ここを通らねば帰れない一本道なのだ。すると、後ろから痛撃が走る。
「え……?」
胸の辺りから、ナイフの先端が飛び出していた。じわり、とワイシャツが赤く染まっていく。
「一体、何度殺せば済むんだ」
野球帽を深く被り、サングラスとマスクで顔を隠した男が呟く。わたしには、全く意味が解らなかった。そして、ぐるりとナイフが心臓部で回され抜かれる。
「い……ッ?!」
「怨みは無いんだ」
じゃあ、何で刺すんだよと涙を飲む。いや、むしろ痛すぎて涙も出ない。信じられない程の血液が地面に広がり、わたしはその場に倒れた。ああ、もう死ぬなと不意に思った。こんな辺鄙な場所、滅多に人も通らない。あれだけ熱かった体が、段々と冷えてきた。男は、わたしが瞼を閉じるのを見届けるとどこかへ逃げていった。

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あきゅろす。
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