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幻滅デイリー
ロレンスの嘆き
 彼女は言った。
「愛してる、って言ってよ。国文科なんだから、技巧を凝らしてね」
数段、上がるハードル。ぼくは、息を飲む。普通に言ったのでは、バイオレンスな結果になりかねない。

 ぼくは、ゴクッと唾を飲んで覚悟を決める。
「『君の為なら死ねる』とはよく言うけど、ぼくはそんな事は言わない」
「で?」
無機質な、彼女の笑い。
「ぼくは君の為なら、人も殺せる」
「……………」
不発だったか。いや、むしろギャグだったとしてもつまらなすぎる。すると、彼女はゆっくりと口を開いた。



「わたしは、あなたの為なら何人だって殺せるけど?」

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