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幻滅デイリー
鈍感先生2
 ニンゲンシッキャク 番外編。

 前川進も勿論、教育実習生だった。先生が、先生じゃなかった頃の話。



「前川先生、質問!」
「授業の事?」
教卓でトントン、と出席簿と教科書の端を揃えて鳴らす前川の側に寄る野球部の男子生徒4人。
「違う違う! あのさ、先生。女とメールする時に、絵文字を入れる男ってどう?」
「……は?」
唖然とする前川。
「だからさ、こいつがマネージャーと付き合いたくてメールしてんだ。でな、そいつが『メールには絵文字を入れた方が良い』ってアドバイスしたんだけどウケが悪いっぽいんだよ」
顔を真っ赤にして頭を掻く少年と、悪びれる様子も無い少年が前に出る。
「んー……、その絵文字の頻度にもよるかな?」
「ほら、先生だって絵文字は量を考えろっていってんじゃん!」
「5行送ってんのに、1行しか返ってこねーし」
「ウザがられてんじゃねーの」
「だとしたら、お前のせいだ馬鹿野郎!」
「ハァ? マジかよ!」
言い合いになる4人。
「ほら、喧嘩しない喧嘩しない!」
「一発で女を落とせる殺し文句とか、ラブレター必勝マニュアルとか無いの? 先生、国語担当じゃん」

 まず、彼らは前川に訊く時点で間違った。

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