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幻滅デイリー
善悪、一人芝居
 良いか悪いかなんて、自分の一存で決められるとは思っちゃいない。あの人にはあの人なりの正義があるし、この人にはこの人なりの正義があるから。

 正義なんて、ちっぽけだ。すぐ大勢に蹴散らされてしまう、脆弱性を孕んだつまらない物に過ぎない。しかも、馬鹿な人間ってのはそれをどうも守ろうとか何とかしようとして足掻いたりする。愚かな集まり、としか言い様が無い。

 たまに、あぁ何の為に此処にいるのか解らなくて放心していたりする。一人が大勢に苛めを受けていようと、誰かが困っていようと関係無い。だって、それはわたしの目の前には無いから。わたしの見えない世界は、無い世界。

 何の為に、君は人に尽くすんだろう。君は、彼の親か? 兄弟か? それとも、恋人か? はたまた、配偶者? それは全て、偽善に過ぎない事だ。彼女に褒めて欲しくて? 彼に褒めて欲しくて? 言って御覧よ、誠心誠意懇切丁寧に肯定の中へ否定を交えてあげるから。

 愛してくれた人は、いつもトランクに詰められて逃げるだけ。愛した人は、いつもわたしのいない世界にいる人だから。いなくなるなら、初めから現れないでいない世界にいればいいのに。

 これでも、わたしはあなたを。

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