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幻滅デイリー
マボロシブックストア
 あ、またアノ夢だ。一体、何度目なんだよと夢の中で悪態を吐く。

「いらっしゃいませ」
「有難う御座いました」
「またの御越しを、御待ちして居ります」
ザワザワとした、ただっぴろい空間。自分の身の丈の倍はある、本棚。思わず、口を開けたまま見上げてしまう。
「ったく、相変わらずだな」
「それ程でもありませんが」
横からの声に身構える。
「いらっしゃいませ」
緑色のエプロンを身に付けた女性店員が、此方側を見て笑っている。この店員だって、初対面では無い。
「うふふ、お久し振りです。ごゆっくり、御覧下さいませ」
「はぁ……」
曖昧に返事をすると、いそいそと脚立を使って本の整頓を始める。辺りは老若男女様々な人々が本を手に取って眺めたり、目当ての本を購入したりしている。まぁ、それが本来的なる本屋の機能性ではあるが。しかし、薄気味悪い夢だ。来た事も見た事も無い店に、どうしてこんなに何度も夢の中であったとしても来店してしまうのだろうか。絶対に変だ、何かおかしい。デジャヴ、というわけでも無いし。
「あなた、また来る事になりますよ絶対」
例のエプロン姿の女性店員は脚立から降りて、蠱惑的に甘い吐息を吹き掛けながら囁きかけた。

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あきゅろす。
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