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幻滅デイリー
泣き虫、毛虫
「君は、よく泣いて。馬鹿だなァ、皆の分を泣くつもり? 君は、優し過ぎるんだよ。そのうち、君の目玉は溶けて無くなってしまうんじゃないかって心配で仕方無いよ」
茶化しながら言っても、彼は未だしゃくりあげながら泣き続けていた。眼鏡を外し、服の袖で涙を拭う。
「ば……ッ、馬鹿は……君だよッ! な、何で、こ、こんなに……こんなに、なるまで!」
「さぁねェ……、ぼくにも解らんよ……」
「し、死にたいのッ?!」
「もしかしたら、そうかもしれないねェ」
ただ、過労で倒れただけなのに。昔から、心配屋なんだから。
「ほら、泣かないで」
「な……、泣かせて、いるのは……、君じゃないかァ」
うーん、病院のベッドで言っても頼り無いねと苦笑してしまう。
「ほ……ッ、本当に、目が、と、溶けて……ッ、無くなって、しまえば、良いのにッ!」
「そりゃ、困る。君の綺麗な目を見られなくなったら、ぼくは何を糧に生きて行けば良いんだ」
ご飯を糧にすれば良いんだだよ、と付け足す彼。
「め……ッ、目が……溶けて、無くなって……、しまえば、そんな君を、見なくて済むからッ!」
「ごめん」
「あ……ッ、謝って済むなら……、警察なんか、要らないよッ!」

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