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幻滅デイリー
告白したい 表
 俺は解らない。俺は、よく解らない。俺は、あまりよく解らない。

 彼女は、よく「好き」と言う。最近、漸く俺に言っている事にやっと気付いた。以前は、誰に言っているのだろうと思っていた。
「だーい好き」
彼女は、振り向き様に言った。周りは、「またやっている」と好奇の目で見ている。俺は、彼女が何故ここまで熱心なのか解らない。気の効いたセリフ一つ言えないし、ましてや無愛想で全く面白味の無い男だ。女なんてのは、全く以て解らない生き物だ。きっと、思考回路が違うのだ。そうだ、そうに違いない。彼女は綺麗だし、性格も良い、利発だし、運動神経も良い、社長令嬢だし、誰からも愛される。きっと、神にすら愛されたのだろう。しかし、一点だけ欠点を持って生を受けてしまった。それが、男を見る目が無い。それで決まりだ。

 嗚呼。でも、彼女がもう少しだけ本気で言ってくれたなら俺は。

 俺は解らない。俺は、よく解らない。俺は、あまりよく解らない。

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あきゅろす。
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