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幻滅デイリー
時代は次代へ自大を
 パラ、と春画を捲る大学生が此処に独り。

「いやー、外国人が自信無くしちゃうのも解るよねェ。俺だって、ガッカリしちゃうもんな」
色鮮やかな春画を見ては溜め息を吐き、付録の論文を読んでは感嘆を漏らす。
「遊女のカタログ、または調度品・着物のカタログとして使用する事も稀ではない。そうか」

 やがて、屍姦図が目に入る。隣家の人妻に横恋慕をした葬儀屋の男が、死体洗いをする際に犯している絵だった。青い目元、色の無い体。それを懸命に犯す、若衆。気色が悪い、と思いながらも見入ってしまう。きっと、憧れから邪な想いが混ざってしまったのかもしれない。
「それにしても、三百年近く前から現代に通じる様な性癖があるとはね」
ぞわり、と身の毛もよだつ。その上、若衆達を覗きながら自慰をする男。
「狂気の沙汰だな、こりゃ。死体の女も怖いけどさ、一番ヤベェのは若衆か」
しかし、それより彼が驚いたのは性器が顔になっている男女や雌雄一揃いの動物達が載っていた次のページだった。
「アイデアは早い者勝ちっていうけど、さすがにグロ過ぎるな。誰が描いたんだ、印もねェし。買う奴がいたか、それとも絵描きの趣味か……」
にた、と笑って大学生は春画を閉じた。

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あきゅろす。
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