幻滅デイリー
俺の肩で泣けば良い
「……な、何……で……ッ、……あのッ……、……あの……人が……、何で……死な、……死ななく……ちゃ……いけ……ないの……」
彼は死んだ。いや、俺がこの手で殺した。
本当に辛い時は、辛いと言えない。本当に苦しい時は、苦しいと言えない。同様に、本当に悲しい時は悲しいと言えないんだと思う。彼女は、それ故か全く「悲しい」とは言わなかった。
だからこそ、ぼくは一生彼女を騙し続けようと思っている。
彼の事を忘れて、俺の肩でずっと泣いていれば良い。
[戻][進]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!