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幻滅デイリー
そんな、2ndデート
「ね、今まで何人くらいと付き合って来た?」
「え」
唐突過ぎる、彼女の強肩豪速球。どんなピッチャーだって、そんな豪速球はいきなり出さない。そう、信じたかった。あまり、野球は詳しく無いけど。
「だって、初デートの時もそうだったけど。相手に気を遣わせない感じのね、雰囲気あったし」
「あ、俺、姉貴がいるからじゃないかな」
「そっかー!」
「そうだよ」
どういった意味合いで言ったのか、俺には解らなかった。いや、今まで付き合って来た子なら解るけど。要は、経験値数の確認って事だろう。

「はー、良い天気だね」
彼女は気紛れ、猫の様。他の男とだってよく話すし、かなり無防備なところもある。
「そうだね」
平静を装うが、多分顔に出てしまっているに違いない。
「どこかに、二人だけで行っちゃいたいね。誰も知らない、解らないところ」
「うん……」
嬉しかった。彼女は、いつも俺に緊張と喜びをくれた。彼女の言う『誰も知らない、解らないところ』というのが後に、世界不思議発見的な冒険という事を知るのはもう少し先だが。

 後に気付く。多分、彼女にとって俺は恋愛感情未満の好きだって事。だけど、そんなの覆してみせるって思っていた自分がいた事。

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