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幻滅デイリー
屈辱的快感
「あー、嫌いなのよねコレ」
蕎麦の上に乗った、蒲鉾を指して言う彼女。彼女は、練り物全般が好きではないらしい。
「食べてよ」
箸で摘まみ、顔の前にさっきまでつついていた蒲鉾を近付けられる。

 ぴとッ。

「あぢッ! 何すんだ」
頬に付けられる。
「きゃっ」
その瞬間、箸から落ちる練り物。長椅子の上に、ペチャッと音を立てる。
「……食べてよ」
眼光鋭く、睨む彼女。その迫力に押し負けて、蒲鉾を拾う。
「何してんの? 口で拾って、食べなさいよ」
「……………ッ!」
「何?」
有無を言わせない、彼女の言い方。俺は、屈んで長椅子に向かう。
「ちょっと」
「何デスカ?」
「言う事、あるでしょ」
暫し、見合う俺と彼女。しかし、何かは全く解らない。すると、呆れた様に彼女は言った。
「食べる時は、『頂きます』でしょ?」

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あきゅろす。
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