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幻滅デイリー
三面脚噺
 キーン……コーン……カーン……コーン……。昼休みを知らせるチャイムが鳴り、二人の少年はバレーボールをする少女達を眺めていた。

 大川は言う。
「やっぱ、スカートの裾は短いに限るって。こうさ、綺麗な脚線美が見えた時の興奮と言ったら無いな」

 中川は言う。
「いや、それは違うな。スカートの裾は、長いに限る。んな、出しゃ良いってモンじゃねーだろ」

 じろ、と互いに睨み合う大川と中川。どうやら二人で、女性のスカートから覗く脚について話しているらしい。

 大川は言う。
「あんな、布ばっか使って一体どうするんだ? それにな、見せる事によって尚更輝きを増すんだぜ」

 中川は言う。
「知ってるか? スカートが短い、というのは不況の影響なんだ。見るからに、不景気なファッションじゃないか」

 ギギギ……、と歯軋りをしながらも更に睨み合う。すると、そこにもう一人が現れる。
「ゴメーン、便所超混んでてさー……。って、何二人で睨み合ってんの」
大川と中川は声を合わせて訊き、ついハモってしまった。
「小川、スカートは長い派? 短い派?」
小川はキョトンとしてから、笑って答えた。
「俺、別にスカート履いてなくても良いや!」

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