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幻滅デイリー
少女型録
「つまりは、俺は女の子が好きなんだよ」
「……だろうな」
ジャクッジャクッ、と裁ち鋏をマークを付けた布地に走らせる。側には、付属品のジッパーやら一から作った釦やらが無造作に置いてあった。
「しかし、器用だな」
一つを摘んで見れば、とても一人で作った物とは到底考えられない。
「まあ、それなりに器用じゃなきゃあ服飾なんかやってらんねえって事さね」
レースを柔らかに織り込み、ヘッドドレスを作り上げて見せびらかす。
「どうだい?」
「うん、とても男が作った様には見えない代物だな」
「そら、褒めているのか褒めていないのか」
はは、と笑いながら作りかけの袖口に何重にもレースを縫い付ける。
「これを着る女の子を想像しながら、作るのさ。ほら、そのファイル見てみ」
投げられたファイルを開くと、雑誌の切り抜きがこれでもかと詰まっていた。
「これは、3ページ目の下段の子」
「ああ、この子か。解る解る」
「だっろー?」
嬉しそうに語り出すが、ある意味かなりの変態なのではと思う。所謂、少女趣味なのではとさえ感じ取れる。
「でも、俺は俺の作った服を着た女の子が好きなんだよな」
「それは、本当に女が好きだと言えるのか?」
「……うん……」

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