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幻滅デイリー
遊びにおいでよ
「あ、そのDVD!」
「ん? これ?」
パッケージが被ったままの、正月特番として放送されたお笑いDVDを彼女に向かって傾ける。
「うわー、見たくて仕方なかったんですけど、ちょうど忙しくて見れなかったんですよねえ。ビデオにも録画出来なくて、っていうかビデオデッキ自体無いんですけど」
「なら、先に貸してやるよ」
彼女の目の前に差し出してやると、何故だか苦笑された。
「ビデオデッキさえも、持っていないんですよ? DVDレコーダーだって、持っているはずがないでしょう」
「ああ、成程な。なら、日曜にでも家に来いよ。どうせ、暇なんだろ? 一緒に見れば良い」
「………」
何だ、また地雷でも踏んだか。
「別に、何もしない」
「本当ですか?」
「本当だよ」
ジッと見詰められるが、そのまま見返してやる。しばらくすると、彼女は溜め息をついた。
「何もしないなら、行きません」

 何か、して欲しかったのだろうか。

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あきゅろす。
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