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幻滅デイリー
カラメル探偵
「先生、それは甘いのでは無いでしょうか」
「馬鹿者、わたしが甘いわけが無いだろうが」
「そうでしょうか?」
助手は探偵の手首をグイッと掴むと、その指を口に運んだ。そして、舌を指先から爪に滑らせる。探偵の手は、小さく震えていた。
「やはり、甘いじゃないですか。特に、指先から爪は砂糖と変わりませんよ。詰めが甘い、に掛かっているんですかね」
「馬鹿、さっきまでチョコレートを食べていたからだッ!」
そうして、探偵は助手の手を振り払った。
「先生、俺はこの事件を解決しようとする探偵を片っ端から殺しているんですよ」
「どういう、事だ」
「おやまあ、全てを言わせるつもりですか。推理小説でもあるまいし」
一体何処から出したか、すらりとナイフを抜く。探偵を壁に追い詰めた助手は、刃を怯えた表情の喉に貫通させた。
「この一連の探偵殺し事件の犯人は、俺なんですよ。だから、俺は解決しようとする探偵を片っ端から殺している。簡単な事でしょう? って、もう死んでるか」
助手もとい犯人は、返り血を浴びながら僅かに微笑んだ。
「あなたには、参加賞ですね。あまりにも時間をかけすぎているし、何よりも俺を信じきっていた甘さです」

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あきゅろす。
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