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幻滅デイリー
明日はバレンタイン
「女の子は〜、バレンタインになるっと〜、みんなスナイパーなの〜」
ファンシーなラッピングセットを傍らに置いて、不敵に笑う。
「今日は〜、一年に一度のバレンタイン〜」
カチャカチャと泡立て器とボウルの金属音を響かせながら、チョコレートや生クリームを混ぜ合わせていく。
「憧れのあの人に〜、撃ち込むわ〜」
角が立つか確かめたり、味見したりする様は思春期に有りがちな乙女そのものである。

 ただ、一言だけ言わせてほしい。今、リビングでお菓子作りに励んでいるのは。ぼくの弟であるのだ、と声を大にして言わせてくれ。外国では聖バレンチヌスの何たらという日で、男女関係無くプレゼントの交換をするとは言うが。ここは、れっきとした日本であり東京である。

「あなたはわたしに、落っちるだけ〜」
そして、ぼくは今年のバレンタインも収穫はゼロなのだろうと自問自答を繰り返していた。外へ出ても、テレビを見ても所詮BGMはバレンタインソング。

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