幻滅デイリー Lady 1970's 「止めて。わたしと、あなたは違うんだから」 「何故? わたしは、あなたよりずっと優れているのに」 近寄れば制止を受け、離れればを催促を受け。 「君は、天邪鬼だね」 それとも、自意識過剰と形容すべきだったか。何より、彼女は社会の秩序や倫理を知らない。個性を尊重され、人より優位に立つ事だけを学んできた人種なのだ。 「意味が解らないわ。あなたは、一体何が言いたいの。はっきり言えばいいじゃない」 いや、自意識過剰よりも単に馬鹿なのかもしれない。 「君は目の前で誰かが倒れていたとしても、絶対に助けようとしないだろうね」 「だから、何? あなたはいつもそうよ、会話に主旨が無い」 オブラートに包むべきかどうか、ふと迷う。彼女だって、一応は人間なのだ。そして、ぼくはそれらを裁く地位でも無い。ただの、一般人に過ぎないのだ。 「君は、あらゆる物を捨ててきたんだね」 [戻][進] |