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幻滅デイリー
狼青年の遠吠え
「あなたの彼は、あなたの幻想で出来ているのだよ。解るね、あなたは頭が悪い方では無いから。ぼくの話を解ってくれるね」
しかし、彼女は解っていなかった。むしろ、彼を狂信的に妄信的してしまっていた。

 信じる事は、素敵な事だなんて誰が言ったか。馬鹿げている、反吐が出る、狂気の沙汰だ。例え信じていなくとも裏切られた時は苦しいのに、信じていた時にそれをされれば絶望的だ。
「彼は泣いていたわ、君に虐げられて泣いていたの」
彼女は、ぼくを睨んで言った。一人を信じている人にとっての他人は、拒絶される為に存在している様なものである。ぼくは、正にそれであった。彼と比較されて、蔑視される為だけに存在していた。
「君は嘘つきだから、彼の方が絶対正しいに決まっているわ」
彼女の一蹴は、なかなか応えるものがあった。

 だが、ぼくは単なる嘘つきだけじゃない。
「ぼくは願うよ、あなたが悲しまない事だけを」

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あきゅろす。
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