幻滅デイリー センチメンタリズム 先輩と同じ部活に入った、先輩と手を繋いだ、先輩をランチに誘った。断片的にしか、思い出せない程ドキドキした。 ──だけど。 あなたは、どうしてそんなお弁当をわたしの目の前で食べているの。語尾を上げてなんか、訊けない程に苛々している。顔に出ているのも解っているし、相手に不快感しか与えていないのも知っている。だけど、わたしはそれくらいあなたに執着しているのに何でそんなポーズを取るの。色とりどりの栄養価から考えた様な、完璧過ぎるとも取れるお弁当を見て。悲しくて、辛くて、自惚れに嫌気がさして。わたしは、自分の馬鹿さと図々しさに呆れた。 「いつも、購買のパンでしたよね」 「あ、うん」 煮え切らない返事に、二の句を発す。 「そのお弁当……」 「ああ、これ彼女が」 「彼女がいるのに、誘ってしまったんですね。すみません」 「別に、大丈夫だし」 わたしは、精一杯笑っていた。なぜ、そんなに思わせ振りな態度を取るのか。それは、優しさとは言わないのに。 「わたし、先輩が好きでした」 [戻][進] |