幻滅デイリー 性差の連鎖 男は女を馬鹿にして、女は俺を馬鹿にする。ぼくは言い合いをする、一組のカップルに挟まれて溜息をついていた。仲裁役なんて、出来る状態では無い。頭の上を飛び交う言葉に、反応も出来ない。 「バッカじゃないの、要は都合の良いセフレが欲しいだけなんでしょ」 「だから、女は嫌なんだよ。そうやって、勘繰ってばっかりだ。女は黙って、男の言う事を聞いてりゃ良いんだよ」 「はあ、何? アンタ、一体何様のつもりよ。ふざけるのも、大概にしなさいよね」 「キイキイキイキイ、うるせえな。次は、ヒステリーかよ。マジで、やってらんねえ」 「そういって、人を挑発して楽しい?」 「してねえよ、自意識過剰女」 「何で、そういう言い方しか出来ないの」 「また、すぐ泣く。泣けば勝てるとか思ってんだろ、同情を誘う仕種かよブスが」 「サイテー」 「俺が最低なら、お前は最悪だな」 「もう、別れる」 「はは、またヨリを戻そうって泣き付いてくるのが楽しみだな! これで何度目だ? はは!」 理解し合おうとするから問題なわけで、予め理解し合えない事を前提とすれば問題は起きないのに。ぼくにしてみれば、人間自体が馬鹿過ぎるだけだ。 [戻][進] |