幻滅デイリー
本当の苦手？
「俺は、君が好きだから苦手だ」
彼は、そう言った。
「アンタの彼氏は、絶対変よ！」
「それは、知ってるわ」
今更、という感じ。
「で？ 他には？ 何か言ってた？」
「後は、『その目で見られると、とてつもなく辛いんだ』って」
「意味解んないわ、本当に。何て言うの、ちょっと前に少しブームにもなった……ほらアレ不思議系？」
それはいつブームになったのかしら、と小首を傾げながら相槌を打っておく。
「それにしても、意味不明な彼がいると大変ね」
「そうでも無いわ、説明してくれるし……たまにだけど」
「しかも、ノロケで締めた！」
わたしの友達は変なテンションで、わたしの彼氏は変な人です。まあ、普通という基準も解らないのだけれど。
「俺にとって、一番辛いのは好きな相手がいる事だ。しかも、その相手の目が綺麗だったら最悪だよ」
わたしは、何と無く思った。
嗚呼、この人はきっと後ろめたさで生きているのかもしれない━━━って。
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