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幻滅デイリー
人間嫌悪
 男は、徒党を組むから嫌いだ。その、永遠に続く上下関係が嫌いだ。何事も力で解決しようとする、その腐った根性が嫌いだ。
 女は、値踏みをするから嫌いだ。その、自分の方が優れていると誤解している考えが嫌いだ。男女平等という名の元に、男の上に立ちたいというのが本音なのだろう。



「馬鹿じゃないの」
彼女は言った。馬鹿じゃないの、とは心外だ。
「何故、馬鹿だと思うんだ」
「それは……、馬鹿だと思ったからよ」
理論の欠片も見当たらない。ぼくが教授ならば、君には落第点を付けるだろう。
「感情論で、人を侮辱するのは止めた方がいいと思う」
「あなたは、馬鹿よ。そうやってないと、人と話す事も出来ないの?」
おまけに、この「揚げ足取り」と毒づく。ぼくとしては、揚げ足を取っているつもりは無い。
「君が話しかけてきたんだろう、ぼくに責任は無いね。何故なら、ぼくは自分の考えに基づいて君に話しているだけだからだ」
「もう良いわ、あなたと話そうと思ったわたしが馬鹿だった」
「ぼくは、君を馬鹿だとは思わないよ」
「慰めは要らないわ、さよなら」
彼女は、ぼくの部屋を後にした。思い切りドアを閉めるものだから、金具が壊れないかと冷や冷やした。ついこの間、直したばかりなのに。
「やっぱり、ぼくは人間が嫌いだよ。誰も受け入れられないし、誰からも受け入れられない。ぼくの友達は、君だけだ。君は刺々しい見た目と反して、とても優しい」
ぼくはシンクに置いてあった霧吹きを取り、窓辺のサボテンに囁いた。

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あきゅろす。
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