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幻滅デイリー
お年玉の叔父さん
 ぼくには、多くの伯父や叔父がいる。その中でも父方の叔父に、若い人が一人いる。ぼくと兄弟と言っても、疑う人は少ないだろうと思う。



「へえ、もう高校生なんだ。学ラン、かっきーじゃん」
「触らないで下さい、叔父さん」
その手を紙一重で避けながら、ぼくは祖父の陰に隠れた。祖父はぼくの頭を撫でて、お年玉をくれた。
「少ないけど、本でも買いなさい」
不思議だが、父方の一族は実年齢よりも若い。特に、男は格別若い。すると、叔父は祖父に両手を揃えて出す。
「パパ、俺にもお年玉頂戴ッ!」
「叔父さんこそ、ぼくにお年玉下さい。ぼくの叔父さんでしょう? 働いているんでしょう?」
「もう、叔父さん叔父さん言うなよ。こう見えたって、お前と十歳離れているだけなんだから」
腰に手を当てて、踏ん反り返る叔父。
「それに、伯母さんは皆俺にお年玉くれたもんねッ」
駄目人間を、目の当たりにしてしまった。何と、元日から不運なのだろうかと溜め息を吐く。やがて、祖父はぼくにくれたポチ袋と同じ物を叔父に渡した。
「もしかして、叔父さんはその伯母さん達にホストみたいな扱いを受けているだけって事じゃないですか駄目人間」
「あ、酷ッ!」
叔父の顔色が、サッと変わった。どうやら、図星だったらしい。

[進]

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