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幻滅デイリー
やってみたいこと
「君は、子供だねェ」
ククッと喉の奥から絞り出す様な笑い声に、カーッと顔が赤くなるのが自分でも解った。
「子供言うな、畜生!」
「子供って言われて、怒るのがそもそも子供だ」
じゃあ、素直に認めるのが大人なのだろうか。俺の大人のイメージってのは、大体悪い事を擦り付けあったりしたり、何かあったらすぐに謝るみたいな感じなんだけど。
「あー、そーですよー。俺は子供ですうー」
そう言うと、彼奴は堪えきれなかったのかプッと吹き出した。一々、リアクションがムカつく。
「いやー、やっと認めたか。うんうん、お兄さんは嬉しいよ。どれ、洋菓子店で大人買いだったよな。今すぐ行こう、買いに行こう。そして、祝言を挙げよう!」
早口で捲し立てられ、手を掴まれる。そして、半ば引き摺られる様にして玄関に辿り着く。
「いやいやいや、意味解んねーから! 嫌だ、大人買いはしてみたかったけど良い! もう良いから、止めろーーー!」
ゼイゼイと肩で呼吸をしながら、全力で拒否をする。そもそも、祝言って何だよ。意味解らないから。
「ほら、無茶は言わない事だ」
彼奴は、そう言ってパッと手を放した。





※やってみたいこと、なんてのはやらない方が楽しめる。

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あきゅろす。
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