[携帯モード] [URL送信]

幻滅デイリー
元ヤン彼氏 A
 最近、誰かに見られている様な気がしてならない。もしや、族の奴かと警戒するが、いつもいるのは同じ女だった。

 俺は少し前、族の切り込み隊長をしていた。しかし、親父が入院してから一念発起。勉強でもして家業でも継いでやるかと励んだら、意外と才能があったのか県で一番の成績保持者になってしまった。眉は抜かずに族を抜け、真面目に生きようと決心した。だが、どこにも俺を睨む奴はいた。俺はなるべく関わり合いにならない様にしたいのに、相手は執拗に俺を叩きに来る。そんな奴らを教師に見付からない様、黙らせる日々はなかなか辛い。

 きっと、あのストーカー紛いの女もどこかのスケバンなのかと考えるとゲンナリした。男は別にかかってきたって、容赦無く殴れる。だけど、女は苦手なんだよなと溜め息をつく。女なんて寄越さずに、来いっつーの。昨日からぶつぶつと図書館で考えていると、例の女は何と背後から攻撃してきたのだ。どうせ来るなら、真正面から来いと思いながら両方の手首を捻ってやった。

 バラすなら、バラせば良い。元ヤンが、勉強したらいけない理由があるのかと叫びたい。よそ見をしながら歩く同級生を注意するのだって、悪くないはずだ。

 ところで、本当にあの女は一体何だ。

[戻][進]

24/30ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!