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幻滅デイリー
元ヤン彼氏 B
「ねえ、ホントにあの人が良いわけ?」
「うん。だって、堅気には見えないじゃない」
「え、ソコなのッ?!」
ちょっと眉が太めな、男らしい人。一見、インテリチックだけど。わたしは、それだけじゃないと感じている。親友は何度も止めろ、って言ったけど好きなものは仕方ないじゃない……と思う。

 学年は一つ上、本を読む際には眼鏡をかけて、意外と礼儀に煩い。頭脳明晰、運動神経抜群。顔は、悪くはない。親友は趣味が悪い、って言うけど。
「先輩が、好き」
花の命は短くて、女子高生もそれは同じ。
「先輩が、好きです」
図書館にいた先輩に後ろから飛び付こうとした瞬間、避けられた。そうして、両方の手首を掴まれる。一連のスムーズな動きに、ただ者じゃないって直感する。何か、攻撃され慣れているって言うか。やっぱり、この人は何かある。
「痛いです、先輩」
「あ、ああ……、すまない……。ただ、図書館内で煩くするな」
パッ、と手を放されてふらつく。
「ごめんなさい」
けど、わたしは尚更あなたが好きになりました。眼鏡の下から覗く、ギラギラとした眼差しも。礼儀知らずに、怒鳴り付ける姿も。わたしは、あなたに夢中なんです。

「先輩が、好き」

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あきゅろす。
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