幻滅デイリー 感情男と理論女 男という生き物は、変わっている。なぜ、同じ人間だというのに女を偶像化するのか。わたしには、全く解らない。 ※ 「何て言うかさ、一昔前のアイドルってトイレに行かないイメージがあっただろ」 キャピキャピした、ピンクや白が似合う本格清純派アイドルの事かと把握する。 「だから、有り得ないって解りきっていても信じられないんだよ」 「それは、全く理論的では無いわ」 有り得ないと解りきっていて、なおも信じられないなんて変な人。 「理論的じゃなくても、結構だよ。俺のは、根っから感情論だからな」 「そう」 「そうなの。それに、いつも良い匂いがしたり、柔らかかったり、壊れてしまいそうだったり」 馬鹿ね、と思わず呟く。男は本当に馬鹿、よ。綺麗な女には騙されるし、涙にも弱い。 「言っておくけど、いくらかのフェティシズムでも無ければ人間なんて愛せないわ」 「……お前こそ、そんなだからいつまで経っても嫁の貰い手が無いんだからな」 サンプルとして、彼は合っていたのか間違いだったのか。今となっては、もう解らない。 「ふん、それこそ余計なお世話よ。この、偶像崇拝の移行現象男ッ!」 ただ、わたしも感情的になってしまった事に後悔している。 [戻][進] |