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幻滅デイリー
迫る朝日に
 夜の匂いは芳しい、だなんて誰が言ったのだろうか。

 夜の匂いは、とても悲哀に満ちている。この夜は、誰かがどうしようも無くて存在しているのだと思うととてつもなくやりきれない気分になる。

 無言で一寸先の闇に、煙草の煙を吐く。夜の空気は、静かにそれを掻き消していく。部屋の中では、壁も黄ばんでしまうのに。

 ベランダは、強く風を受ける。前髪を流し、額をなぞっていく。体で覚える前に走り去った女の記憶の様で、何だか笑えた。

 街の灯りは届かない。空を見れば星か、飛行機かが見える。

 流れ星が落ちた。願い事は、言わなかった。願ったくらいじゃ叶わない夢は、夜に溶けていくばかり。

 今日も誰かが夢を失って、再び叶わぬ夢をみているのだろう。

 月には元々蛙が住んでいて、兎が侵略したらしい。この時点で、兎は悪者なのだろうか。例えばの話、兎にも退っ引きならぬ事情があったとして……止めようか。つまりの話、RPGでは魔王にとって勇者は単にいつでも侵略者なのである。

 わたしは彼を殺したけれど、彼はわたし強姦した。さて、どちらが悪いのでしょうか。さて、どちらがより傷付いたでしょうか。

 想像力による、問題。

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