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幻滅デイリー
残酷な姪っ子
「お兄ちゃん。わたし、彼と別れたの」
「そうか」
姪は、ぼくを「お兄ちゃん」と呼ぶ。まだ、大学生なので「叔父さん」とは呼ばないという微妙な気遣いだった。

「わたしね、不思議に思うの。必ず、美人同士がカップルになるとは言い難いのね」
某ファーストフード店にて、ぼやく姪。
「数学の、どんな難しい公式を使っても解けないの。ほら、あそこにも。親子程に離れた年齢のカップルとか、美女と野獣みたいなカップルとか。あれって、ボランティアの一環?」
「こら、指を差すな」
彼女の手首を取って、下ろす。
「だって、不思議なんだもん。お兄ちゃんは、そういう事無いの?」
「さあ、男女の仲は四則混合程度じゃ解けない様になっているもんさ」
「うわー、恰好付け」
別に、恰好付けたわけでは無いが。
「混んできたな」
「んー、そうだねー」
姪はシェイクを飲んで、フライドポテトに手を伸ばす。

「ところで、どうして彼氏と別れたんだ? 何か不満があったのか?」
ぼくもコーヒーを一口啜ってから、ポテトを口に運ぶ。
「男の人って、胸が大きい方が良いの?」
ギョッとして姪の顔を見ると、彼女の真剣な表情が目に入った。

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