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幻滅デイリー
逆行彼氏の彼女
「もう……ッ、か、勘弁してくれ……」
彼は、力無く言った。
「もう、無理?」
「……っあ、ひ?!」
くい、と軽く尻尾を引けば勝手に反応する体。まあ、実際わたしがそうさせているんだけど。情けない声が、また愛おしく思える。
「お前、いい加減に」
程よく作られた体は、わたしの思うがまま。どんなに、威勢よく噛み付こうとしたって無駄。あなたは、わたしのペットに過ぎないもの。
「嘘でしょ。触られて、何度もよがったのは誰だっけ?」
うッ、とたじろぐのを見て不謹慎にも面白くなってしまう。
「俺、男として自信無くなる……」
「良いじゃない、相手がわたしなんだし。わたしも、知識欲を満たしたいもの」
「は、ぐ……ッ?!」
懸命に声を抑えようとすればする程、わたしには加虐心を煽られてクラクラしてしまう。
「でも、耳が生えなくて良かったわね。耳が四つになったら、目もあてられないもの」
「もう、何でも良いから……何とかしてくれ」
先祖返りとでも言うべきか、わたしはまた少し淳司が好きになった。

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