幻滅デイリー
孤独喝采
愛は一人で出来るけれど、恋は一人で出来ないって誰かが言っていた気がする。だけど、それだって間違いに過ぎない。恋だって、自分自身に恋すれば一人で出来る定義として当て嵌まるじゃないか。
独りは楽だ。誰も悲しまないし、傷付かないから。二人以上いれば、必ず意見は食い違う。必ず別れが訪れるし、痛い思いをしなければならないに決まっている。
寂しい、とか思った事は無い。二人を知らなければ、一人が寂しい事を知らなくて済むから。無い物ねだりだって、しなくて済むから。
一人には、自由が与えられる。同時に、孤独という状況も。二人には、制約が与えられる。同時に、面倒という状況も。一人の方が、明らかに魅力的な条件だろう。物件ならば、即座に買うべき状況だろう。
邪魔なんて、誰もしない世界。自分以外、誰もいない世界。
だって、ぼくはあなたに会って、あなたに幻滅されて、ぼくが一人になる状況なんて考えられないから。ぼくは卑怯で、臆病でどうしようもない人間だから。いや、人間の風上にも置けない様な虫同然の生物だから。
ぼくは、孤独に万歳三唱してしまうんだ。
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