[携帯モード] [URL送信]

幻滅デイリー
要不要、情報
 相方は、呟く様に言った。

「作家には、プロフィールも日記も関係ないと思うんだよねえ」
「何だよ、薮から棒に。どうした? 変な物でも食ったか?」
合同サイトを経営し続けて、半年の事だった。相方は小説や詩などの文芸を嗜み、俺は専ら絵ばかりを描いていた。相方は国文科だったし、俺は美大生だったからちょうどだと思っていたのに。というか、国文の人間ってどっか変だと思う。リリカルって言うの? 唐突に、あっちの世界に行っちゃうみたいな。まあ、美大生も何言ってんのかとか何考えてんのか解んないみたいな事言われるけど。
「お前にも、要らないと思うんだよ。ずばり」
「いやいやいや、何なんだソレは。自由を奪うなよ」
取り敢えず、この変な芸術家気質の相方を宥めなければと思った。だが、少々遅かったらしい。
「そうじゃないッ!」
ばんッ、とテーブルを叩いて立ち上がる相方。周りから一気に注目され、いたたまれなくなる。ちなみに、ここは学生食堂だ。
「解った、解ったから落ち着け。座れ、ほら」
チョコレートを一欠、相方の口に突っ込んで黙らせる。つか、どういう事なんだよ。マジで、意味解んね。相方は、チョコレートを咀嚼して飲み込むと言った。
「ぼくの言いたい作家は作品で自己主張しろって事」
やっぱり、国文科はよく解らない。だって、作品で自己主張って当然じゃんか。違うのか?

[戻][進]

11/31ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!