幻滅デイリー Snow white syndrome 「わたしが死んだら、どうする?」 ソファに仰向け寝転がった彼女が、ぽつりと漏らす。ひじ掛けに頭を乗せているので、長い黒髪が滑らかに床へと流れている。 「硝子の柩に入れて、大事に保存してあげる」 「まさか、それって『白雪姫』?」 「うん、七人の小人から硝子の柩を買い取って。もしかして、嫌い?」 彼はソファの前に跪き、彼女の機嫌を窺う。 「別に。あなたが王子様だったら、ネクロフィリアの趣向があるのかと思っただけよ」 「無いとは思うけど、君相手なら死体でも良いとは思う」 「……変態」 「君から言ったくせに、何だよ」 ゆっくりと起き上がり、彼女は彼を押し倒す。 「反応が無い方が良いなら、そうしてあげても良いわよ」 [戻][進] |