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幻滅デイリー
給水レバーチーズ?
「ふふふ……、あは、あははははッ! どうだ、王手だ様ァ見ろ! ははははは、どうだ見直したか俺の事を。何とか言ってみろ、やーいやーい」
「煩い」
一蹴。

 さて、彼らが勤しむは何処にでもある何でもない只の将棋。優勢は先手の喧しい男、劣勢は後手の物静かな男。
「暫し、待てぬのか。この脳味噌筋肉馬鹿男が、少しは黙っていろ屑穀潰し」
流暢な発音で、先手の男に釘を刺す。
「ふふんだ! お前、高をくくっていられるのも今のうちだぞ! こういう状態を、何て言うのか知っているか!」
「タカビーこと高飛車、もしくは屑が意気がる」
ズバズバと、先手の男に切り込む。しかし、先手の男は再び笑う。
「ははは! これこそ、キュウス猫を噛むだ!」
後手の男は急須を思い浮かべ、クククと喉の奥で笑った。
「な、何笑っているんだよ! お前、知らないのか? 有名な故事成語だぞ」
「急須がな。今日は、知らぬ故事成語を聞いた。俺の敗けで良いさ」
そう言って、また後手の男は静かに笑った。





※先手の男の急須は、既に陶器では無い未知の怪物だろう。
※タイトルは、『窮すれば通ず』の遊び心。ただし、内容は『窮鼠猫を噛む』だが。

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