幻滅デイリー
映画予告
『蹴りたい背中』『蛇にピアス』が一世を風靡した頃、わたしは高校生だった───。
「わたし、小説家になりたい!」
大笑いする親や兄弟を、見返してやりたかったのは二の次。印税で、ウハウハな生活を夢みたセブンティーン。
けれど、今のわたしはトウェンティ・ツー。しかも、そろそろ大学も卒業が見えてきた。
「っていうか、二十歳過ぎると限界が見えてくんのよ。解る? 解ってんの? 解ったら、さっさと就職先でも見つけてきな!」
「お姉ちゃんだって、さっさと結婚したら! この、行けず後家!」
「何よ、この馬鹿娘!」
絶えない、姉妹ゲンカ。
「体力にも、才能にも、未来にも、見切りがついちゃうのよね」
何気無い、友人の溜め息に。
「解ってた、全部。だって、わたし人より秀でた物なんて無いから」
悔しさより、不甲斐なさの涙。
「アンタ、パソコンに埃かぶってんじゃないの」
「良いの、もう使わないんだから」
「なら、捨てる?」
「良いよ、捨てちゃっても。型も古いし、どうせ───」
もう、二度と使わないんだから。
破れた夢は、セロハンテープも無駄。
『一発逆転ガール』新春ロードショー決定!
※フィクションです。
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