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幻滅デイリー
猟奇的アイラブユー
「泣けよ」
ぐいと顎を押さえ付けて顔を固定させ、低い声で脅しをかけてやる。生理的な涙だって良い、感情的な涙だったらもっと良い。お前は、俺に支配され続けていれば良い。
「う……ッ」
「ふん、無様だな」
そのまま、床に叩き付けてやる。ガツン、と顎と床が勢いよく接触した音がした。その音がする度に、脳内を快感が走る。
「何で、こんな事……」
四つん這いになった相手を見下しながら、鼻で笑ってやる。
「さあな、理由なんか無いね」
「解らない……」
「お前なんかに、解ってたまるかよ」
我ながら、歪んでいると思う。謝りなんかするもんか、謝るのはいつだって向こう側。理不尽に、謝らせてやる。

 例えばの話、相手が誰かに拐われてしまったらと考える。俺は常に、相手を殺したいくらいに愛している。これは、本当の事だ。力加減を間違えてしまえば、すぐに殺してしまうだろう。俺は、常にそれくらい本気なのだ。多分、すぐに助けに行くだろうと思う。金でも、何でも用意するだろう。俺の命だろうと、何でもくれてやる。けれど、俺は犯人を絶対に殺してやる。そして、彼女も絶対に殺してやる。それくらい愛しているのに、俺は誰にも認めてもらえない。

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あきゅろす。
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