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幻滅デイリー
オカルト判定
「痛いのは、嫌ですよ」
少女は、蚊の鳴くような声で言う。
「何、大丈夫だ。科学の進歩には、多少の犠牲が付き物さ」
「いやーッ! わたし、帰りますッ!」
「誰が、貴重なモルモットを返すか。来い!」
「いやァーッ!」

 来たるは、大学内でも評判のホラースポット。青年は、確実にウキウキしている。仕方無く、少女は見えたものを報告する。すると、青年は少女に携帯電話を持つように指示する。
「わたしに、メールをするんだ」
「な、何で……?」
「良いから、速く!」
「はいッ!」
短文を打ち、送信キーを押す。すると、青年は少女の両こめかみ辺りを挟む様に自らと彼女の携帯電話を向ける。
「え、何、なの……?!」
片方の携帯電話にメールが受信され、着信メロディが鳴る。
「どうだ、未だソレは見えるか?」
「あ、あの」
「どうした?」
「これが、電磁波ですか……?」
二つの携帯電話を見て、微妙な表情を浮かべる少女。痛いのは、なんて言った自分に後悔している様だ。
「無論だが。早く、見えているのか? もう、見えていないのか答えろ」
青年は、少女の曖昧な態度に苛々していた。



「見えますよ。むしろ、あなたの後ろにいるんですけど」

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