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幻滅デイリー
死後設計図
「俺が死んだら、お前どうする?」
心配そうな表情で、彼は訊いた。彼と、わたしは二つ違い。ちなみに、彼もわたしも十代だ。わたしは焦らずに、言葉を繋ぐ。
「御国の為に死ねるのだよ、有難く思え」
「馬鹿、今は平成だ」
「ああ、冗談だ」
彼は、わたしの頭を小突いた。結構、痛かった。コイツ、手加減無しかと痛感する。
「で? お前、どうするんだ」
「そうだな、三日三晩と泣き暮らすだろうな。けれど、それから君とわたしには接点が無くなる。君は死人、わたしは生人だ」
「薄情者! お前って奴は! 酷いな! この冷血漢!」
ギャアギャアと、耳元で煩く喚かれる。
「言われ馴れている、そんな言葉。しかし、君が生きていたら未だ笑える日があったのかもしれないと考えるだろうな」
「………!」
パッ、と喜びの表情を見せる。





「たまにだが、な」

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あきゅろす。
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