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幻滅デイリー
オカルト批判
「脳内アルファ電磁波」
ぴしゃり、と言い放つ眼鏡をかけた青年。
「脳内……アルファ……電磁波?」
少女は解らないと言う様に、鸚鵡返しをする。
「君は、霊症に詳しいと聞いたのだよ。いや、むしろ見える者だとね。しかし、わたしは絶対に信じない! 科学が発達した時代に、幽霊や妖怪など信じられない!」
ずい、と青年は少女に近付いて目を観察する。
「ふむ、至って普通だ。一般的、日本人の特徴そのもの」
「止めて下さい!」
「目を逸らすな、この世に科学で解決出来ぬものは無い」
いやいや、と首を横に振る少女の顎をグイと押さえ付ける。
「人間には、電気が通る道がある。いわゆる、脳から送られた電気信号。つまり、情報が送られる神経回路を知っておく必要があるのさ」
つつつ、と少女の頭から体へと指を動かしていく青年。
「それで、どうするんですか……?」
「良い質問だね。答えは君に幽霊が見えた瞬間、体に電磁波を近付けてやるのさ。見える、という意識も信号だ。それを邪魔出来る電磁波が発生すれば、君は簡単に見えない人。どうだ?」
「それ、協力しなきゃいけないんですか?」
「付き合わねば、単位はやらんよ」

 少女は、見える目を潤ませて承諾した。

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あきゅろす。
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