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幻滅デイリー
222の悲劇
 彼は、言った。
「ちょっくら、稼いでくんから」
「はァ? お前、就職先見付かったのか?」
「まぁな、短期だけど」



 彼は、帰ってきた時に昭和の最中であるにも関わらず二百万という大金を得て帰ってきた。
「二ヶ月で、二百万って何の仕事だよ。まさか、盗みとか殺しとか危ない仕事じゃないだろうな」
笑いながら言ってはみたが、事実ならヤバい。
「ん? ちげーよ。何かさ、運んだだけだって」
「何か、って何だよ。危なねーモンじゃねぇだろうな。銃とか、麻薬とかさ」
「いんや、だって違法じゃないって言ってたし」
「へぇ」
だけど、気になる。何の仕事をしていたのか、何故こんな大金を得られたのか。想像は尽きない。



 彼は大金で車や豪邸を買い、美人と結婚したと言っていた。全く、羨ましい事だと思いながら俺は変わらず自転車屋を経営していた。やがて、悲報が届く。
「死んだって? アイツが? 何で? は? 原因不明?」
二ヶ月後の事だった。二ヶ月の短期雇用、二百万もの給料、二ヶ月後の死亡。これは、何かおかし過ぎる。雇われ先だったという場所を訪ねてみたが、徒労に終わる。しかし、今は何と無く思う。彼は被曝したんじゃないか、と。

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あきゅろす。
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