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幻滅デイリー
マジでフラれる3秒前
 テニス部の女子が、休んで手を洗っていた。やがて、水を掛け合って遊ぶ姿が見えた。水飛沫が跳ねて、小さな虹が出来る。夏なんだな、なんて何気無く思った。

「サボんなよ」
グイと首根っこを掴まれて、ドキッとしてしまった。恐る恐る振り返ってみると、同級生が笑っている。
「部長かと思った」
「そんな似てた?」
嬉しい、とでも言いたげな顔にタオルを投げてやった。
「ぶ」
見事に、顔面ヒット。
「ったく、止めろよ。汗臭いタオルを……」
「なぁ」
相手の話を塞き止めて、引きずり込む。
「女に会ったら、まずどこを見る?」
「えー?」
少し遠くの水場を指差すと、乗り出す様に見る。顔を洗ったり、水を掛け合ったり、ベンチで休憩したりとそれは様々だった。
「お前は?」
「え、言うの?」
「当然だろ?」
「恥ずかしいって」
「はァ? 聞かせろ、マジで!」
肩を抱くと、渋々といった様に俺に耳打ちする。
「せ、せーので」
「応」
っていうか、恥ずかしいって何だと悶々としながら言う。

「膝の裏」
「項」

 な、なんてマニアックなんだ。項か、と思った瞬間にそいつは言った。
「うわー、膝の裏ってマニアックだね。俺の方が早く、彼女出来そう!」

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