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幻滅デイリー
少女症状
 男も夢をみる時はあるものだ、と言ったのは一体誰だったか。

「絶対、あの子は純粋なんだぜ。キスなんか、頬にするものだと思い込んでいるに違いない」
「はいはーい、頭の中がオメデトウゴザイマス」
夢みがちな友人を軽くあしらい、俺は噂の彼女を見た。見たところ、普通だ。顔、体型、性格、成績全てにおいて標準値。
「可愛いよな、本当。世間に擦れてなさそうっていうか、保健体育の教科書見せたらオロオロしそうっていう初さがね」
「訴えられれば良いよ、変態」
しかし、俺は彼女を知っている。放課後の保健室で売春擬きな行為をしている事とか、この学校の男の殆んどを味見している事とか。夢なんて、平成現代において見る事自体が無駄なんだよと言いたくなる。
「なあなあ、彼氏とかいんのかな」
「知らね、多分いねーんじゃねーの。噂とか、聞かねーし」
というか、彼氏がいたら黙っちゃいねーと思う。
「告るわ、俺」
「ガンバ大阪」
本当、友人が夢みがちとか俺的に許せねーから。さっさと、玉砕でも何でもすればいい。保健室のスペシャルサービス、とかで。

 案外、男は女より夢みがちな生物なのかもしれない。女は、意外と現実的で残酷なんだ。

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あきゅろす。
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