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幻滅デイリー
Fast First!
「わたしは一体、あなたの何番目なの?」
冷たく言うものだから、思わず身を引いてしまった。勿論、空気だってドン引きだ。
「な、何番目って……」
「まず、あなたがわたしとのデートを断る場合を考えてみましょう。一つ目、部活。これは仕方無いわね、あなたは根っからのサッカー少年だったから」
女って面倒臭い、そう思ったのは初めてじゃ無かった。特に、コイツの場合は。まどろっこしいんだよ、どうしたって。待っている言葉は、どうせ「愛してる」のくせに。
「二つ目、家族と外出」
「当然だろ、家族と出掛けなきゃならない時だってあるんだから」
だって、そうだろうが。
「三つ目、友達と約束」
「それは、先にした約束だったから……」
「彼女より友達なの? このホモ!」
あまりにデカい声で言うものだから、慌てて口を押さえる。むぐ、と彼女の間抜けな声が指の間から漏れた。
「馬鹿、静かにしろ」
「何よう。どう考えたって、わたしは三番目以降じゃないのよ」
少し悲しそうな声だったが、俺は敢えてそれを聞き流す。
「じゃあさ、俺は一体お前の何番目なの?」

 同じく、一番目でも無いくせにと毒づきながら訊いてみた。答えは、期待していないけどな。

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あきゅろす。
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