幻滅デイリー
色白は、七難の相
この肌の色は、いつでも嘲りの対象だった。それは変えられない事ながら、とても悲しかった。
「色白過ぎて、気持ち悪いんだよ病気持ち」
中学生の頃から言われていたが、自らの弟に言われて悲しくならない人間がどこにいようか。
白い紙だって、白く生まれたかったわけでは無かろうに。皹割れた壁が白く塗られたいなんて、何時言ったのか。黒が、白に焦がれるはずは無かった。
直せないコンプレックスを指摘されるのは、とても辛い。言われるより先に、ネタにした事だってある。だけど、残ったのは後悔と悲嘆だけ。
「気持ち悪い」
キモい、はまだ平気だ。略されている分だけ、言葉自体が軽い。
「気持ち悪い」
もう、対処の方法だって解らないじゃないか。誰だ、色白は七難隠す、なんて言ったのは。
「気持ち悪い」
遺伝子を恨んだって、解決しない事は承知済み。
学年やクラスの集合写真は、ぬっぺっぽう。
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