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アリーシェは一人、森の小道を歩いていました。バスケットの中には美味しい果物と葡萄ジュース。久しぶりの再会に胸が高鳴ります。
しばらく歩いていると、ふと小道の周りには色とりどりの花が咲いていました。
とても可愛いらしくて、アリーシェは彼女のためにとっていこうと思いました。

すると…

「おい、女。お前を喰わせろ。」

銀の耳と尻尾、はっきりと分かる尖った犬歯。人間のような姿でも人間の言葉を話してもそれはまさしく…―狼。

いきなり現れた狼にアリーシェはただただ震えていました。

「あの…」

「なんだ?」

「狼さんですよね?」

「そうだが…」

緊張してかアリーシェは声が掠れてしまっています。アリーシェは息を呑んで言いました。

「ここを通して下さい。大切な人に会いに行くので。」

「ほう…それはお前よりも旨いのか?」

余りの質問に驚くアリーシェ。
けれども大好きな従姉妹を狼の危険に曝したくはないので、咄嗟に嘘をつきました。

「いいえ、おばあちゃんです。病気になってしまって、今日はお見舞いに行こうと思っていたんです。」


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