龍と花
さようなら平和な毎日
「お、俺も・・・殺すんですか?」
恐る恐る聞いてみる。すると男が小さく笑った
「いいや?」
近くで見て思ったが 、この人もかなりのイケメンだ。
艶やかな黒髪、漆黒の瞳、すべてを黒に包まれた闇に溶け込みそうな人・・・
そんな人が口角を上げて笑う様は、攻撃力抜群で俺は赤面した・・・湯気出てそう・・・
「ふっ、オイ堂本」
「はい」
「こいつも連れて行く」
「「え」」
俺と堂本さんの声が重なった
「しかし若・・・」
「俺がいいと言っているからいいんだ。行くぞ」
「・・・はい」
俺を省いて勝手にことが進められてしまったらしい
俺は、オドオドと堂本さんを見つめた
「えーと・・・君。そういうワケだから一緒に来てくれる?」
もとの口調に戻った堂本さんが、苦笑いで言う
「ぇ・・・」
「んー、ちょっとごめんねぇー」
「ぇ、っぐは!!」
堂本さんが俺の腹に拳をめり込ませた・・・らし
い。腹に衝撃が来て、俺の意識は薄れていった
「ごめんねぇ」
堂本さんの緩い声と、雨音だけが耳に残っていた
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