龍と花 5 ぼけーっとおお兄さんを見ていると、頭をポフポフとされて、体の向きを変えられた 「さ、もう部屋にお戻り・・・龍也たちが帰ってくるよ」 俺の背中を軽く押し、部屋へ促す あ、そうだ。と言ってお兄さんは俺の着物をちょいちょいと引っ張った 「俺は、伊波 若狭(いなみわかさ)・・・君は?」 「日向楓です」 「楓・・・いい名前だね。君に合っている」 「ありがとうございます、伊波さん」 俺がそう呼ぶと、違うよ、と言って伊波さんは 首を振った 「若狭と呼んで?ね、楓」 「・・・若狭さん?」 そう呼ぶと嬉しそうに笑った 目元が見えないからよく分からないけど・・・ 多分今までで一番の笑顔だ 「うん。じゃあ行くね・・・あ、俺に会ったことはなるべく人に言わないで。・・・もし、俺に会いたくなったら、一人でまた奥の方においで、楓を迎えに行くよ」 俺にはわかるから、いつでもいいよ。 そういうと若狭さんは来た道を戻って行った ・・・不思議な人・・・でも話していると、すごく落ち着いた・・・なんでかな? ・・・また、会えるかな [*過去][未来#] [戻る] |