龍と花
3
「龍郎ー?」
「りゅーせー!!」
「龍郎!って、ぇ、誰?」
振り向いた男の子は、やはり美人だった。15歳くらいかな?
・・・この家の人はみんな美人さんなのだろうか・・・?
「こんにちは、日向楓と言います」
「こんにちは、五十嵐 龍征(いがらしりゅうせい)です。あの・・・龍郎連れてきて下さり、ありがとうございました」
ぺこりと頭を下げられた
15歳にしては礼儀正しい。そう いう風に教えられているのかな?
「全然いいよ、あ・・・でもね、その」
未だにしっかりと俺の着物の裾を掴んでいる龍郎君
それを見て龍征君は、呆れたような困った様な顔をしていた
「龍郎、日向さんのこととても気に入ったみたいですね」
「みたい」
この子滅多に人に懐かないのに・・・珍しいです
そう言った龍征君は、少しだけ嬉しそうだった
「では、日向さんも一緒に来てもらっていいですか?」
「ぇ・・・?どこに?」
そう聞くと、申し訳なさそうに龍征君が言った
「お風呂です」
「・・・え」
「行く―!お兄ちゃんも一緒に入るぅ!!」
嬉しそうに俺の手を引っ張る龍郎君
どうやら俺が行くことは決定しているみたいだ
「日向さん すいません、僕は龍郎の着替えを取りに行くので、先に行っていてください」
「ん、わかった」
「いこー、お兄ちゃん!」
「うん」
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