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龍と花


「龍郎ー?」
「りゅーせー!!」
「龍郎!って、ぇ、誰?」

振り向いた男の子は、やはり美人だった。15歳くらいかな?
・・・この家の人はみんな美人さんなのだろうか・・・?

「こんにちは、日向楓と言います」
「こんにちは、五十嵐 龍征(いがらしりゅうせい)です。あの・・・龍郎連れてきて下さり、ありがとうございました」

ぺこりと頭を下げられた
15歳にしては礼儀正しい。そう いう風に教えられているのかな?

「全然いいよ、あ・・・でもね、その」

未だにしっかりと俺の着物の裾を掴んでいる龍郎君
それを見て龍征君は、呆れたような困った様な顔をしていた

「龍郎、日向さんのこととても気に入ったみたいですね」
「みたい」

この子滅多に人に懐かないのに・・・珍しいです
そう言った龍征君は、少しだけ嬉しそうだった

「では、日向さんも一緒に来てもらっていいですか?」
「ぇ・・・?どこに?」

そう聞くと、申し訳なさそうに龍征君が言った

「お風呂です」
「・・・え」
「行く―!お兄ちゃんも一緒に入るぅ!!」

嬉しそうに俺の手を引っ張る龍郎君
どうやら俺が行くことは決定しているみたいだ

「日向さん すいません、僕は龍郎の着替えを取りに行くので、先に行っていてください」
「ん、わかった」
「いこー、お兄ちゃん!」
「うん」


[*過去][未来#]

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